肯定形で考える

学生の時にヴァイオリンを習っていた先生は「私は生徒の皆さんに否定形で注意をしないようにしている」と言っていました。

それは例えば、急がないで弾きましょう、とか、音が硬くならないようにしましょう、という注意の仕方はあまり良くないという意味で、その言い方だと何をすべきかが示されていないため、言われた人は困惑するということでした。

確かに急がないようにしようと気をつけてみても「急がないように」と思うだけで、具体的に何をすべきかがはっきりしていません。

それに比べて「急がないようにするにはどうすればよいか」を考えて、例えば、1つ1つの音を丁寧に弾く、拍の頭の音を意識して弾く、などと気をつけるほうが「急がない」ことを改善できるようです。

また、何をするべきかを考えるという作業そのものにも意味があるのだと思います。それによって問題点もはっきりしてきて、どうしたら良いのかが分かってきます。

~をしないように、から一歩進んで、こういう風にやってみよう、と考えるようにしています。

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